Kode9のハイパーダブサウンドは定義するのが難しい。ビートがある時もあればない時もあり、ヴォーカルがある時もあればない時もある。しかしどの曲にも共通するのはヘビーなベースラインだろう。2010年にK7からリリースされたDJ KicksのコンピレーションでもショウケースされたKode9のDJセットはダブステップ、グライム、シンセを核にしたヒップホップとハウスの間を彷徨う、時に予測不能なセットだ。そんなDJセットを通して、2001年から南ロンドンサウンドを世界的に有名にした立役者になっている。2006年にはTempa Records の人気コンピレーションシリーズDubstep Allstars Vol.3のミックスも手がけ、Spaceapeとのデビューアルバム「Memories of the Future」も発売された。 4年に渡り彼がRinse Fmで隔週でのFwd>>という番組をホストしていた彼は、プロデューサーとしては、Aphex TwinのRephlexレーベル、ダブステップの名門Tempa、Soul Jazz、Domino、On U Soundそして自身のレーベルからもリリースをしている。またリミキサーとしても有名で、今までにLee 'Scratch' Perryやthe Junior Boys、Dabrye feat. MF Doomなどのリミックスも手がけ、PrinceやThe Specialsのカバーもしている。 Kode9は、Cooly G、King Midas Sound、Ikonika、Darkstar、Zombyなどのリリースでも知られるHyperdubというレーベルを運営している。映画「トゥモローワールド」にも楽曲を提供した経歴がある。彼はSteve Goodmanとして2010年にMIT Pressから「Sonic Warfare」という、音によっていかに大衆的行動の強制をできるかについて書いた本を出版、続編も執筆している最中だ。サウンドアートコレクティブAudintのメンバーでもある彼は、ベルリンのthe Academy of the Artsでマルチメディアのエキシビション、そしてニューヨークのthe Art in Generalギャラリーでも2011年にUnsound Systemsというインスタレーションを行う顔も持つ。